幼い女性性を成長させる

今日もまた女性性の話をしたいと思います。

本当の女性性の姿とは「畏れる(おそれる)べきもの」です。

女性性は陰で闇で、目に見えないですから、男性性の側からすると得体が知れず恐ろしいのです。

そのイメージはまさに自然です。

自然は、私たち人間に純粋に恵みをもたらしてくれるものであると同時に、容赦なく襲いかかってくる恐ろしい面を持っています。

女性性は本当にそれと同じです。

自分の陰(女性性)を陽(男性性)が扱いきれない。

だから、男性性はなんとか征服しようとして、あれこれと策を練り、工夫をし、女性性を大人しくさせようとしてきたのが今までだったと思います。

しかし、自然がそうであるように、無理やり力でねじ伏せることなど不可能なのが女性性の本当の姿なのです。

実際に地球規模で起こっていることと同じだと思います。

女性性と男性性とは

ここでちょっと女性性と男性性とはなんのことを言っているのか整理しておきましょう。

辞書で調べると「女らしさ」とか「男らしさ」と出てくるのですが、だいぶざっくりしている気がします。

男女関係なく、両方の性質を持ち合わせていて、そのバランスは人によって違います。

ですが、確かに女性の方が女性性が強い傾向にはあり、男性も男性性が強い傾向はある。

とはいえ、社会という枠組みそのものが男性性の性質でできているので、男性性の性質を使ってみんなが生きていると言えるところがあります。

では、具体的に女性性、男性性とはなんなのか。

とても抽象的なものなので、いくつかのキーワードからそれぞれのイメージを掴んでいきます。

女性性:内向き、柔らかい、調和的、直観的、美的感覚、自然との繋がり、感性、陰

男性性:外向き、硬い、闘争的、直線的、合理性、社会、進化発展、目的意識、思考、陽

なんとなくイメージできますよね。

確かに女性らしさと男性らしさという一般的なイメージと繋がるものがあります。

男性性がおそれる女性性が社会から切り捨てられている

で、ですね・・・

私たちが通常イメージする女性性は確かにその通りであるものの、大切な部分が切り落とされているんです。

まさにアダムとイブの神話からリリスが抹殺されたかのようになっているように・・・

それが、魔女であったり、老婆であったりというイメージに反映されている「大きな力を持つ女性性」です。

私、ふと思ったんですよ。

パッと出てくる女性性のイメージがとても幼いなぁと。

「あげまん」なんて言葉も、男性性にとって都合のいい言葉だしなぁと思ったりして。

私の持っている印象が偏っているということはあるんだと思いますが、それにしてもなんか違和感。

で、今までの自分を振り返っても思ったんですよね。

いい歳こいて、「清廉潔白な乙女でいたい」みたいなところあるよなぁって。笑

「私は意地悪ではありません」

「私は嘘つきではありません」

「私は誰のことも恨んだりしていません」

みたいな、「私は穢れてないと思いたい」という意識、持ってるよなぁ・・・と。

でもそれは幼さそのものだし、肉体は年をとるわけで、そのギャップは年々広がるばかりです。

まさに女性性の失われた部分を否定している感じであり、それは自分の中に眠る大きな力を否定していることにもなっているのです。

性悪と言われて気づいたこと

それに気づいたのは姉のおかげでね。

うちの統合失調症の姉は、スイッチ入ったら結構暴言吐くんです。

そこで私がすごくカチンときた言葉に「性悪」があったんですよ。

人に性悪!って言われたことありますか?笑

いや〜なかなか貴重な経験させてもらってます。

そう言われた時になぜカチンときたかと言えば

「私は性悪じゃないのに、ひどいことを言われた」という気持ちがあったからです。

そこまで考えて立ち止まったんですよね。

「ん?普通に私って性悪なところあるやん」って。笑

(そう普通に受け入れられたのは、等身大の自分をとことん受け入れてきたからだと思います。)

それを受け入れるまでは、漠然と性悪を否定したがり、自分がまるで清廉潔白かのような意識でいたことに気づかされたわけです。

「そっか!私、性悪か!」とあっさり認めたら、内側から力が湧いてきたのは気のせいでしょうか。

おとぎ話が教えてくれること

おとぎ話は女性性や男性性の元型を教えてくれるものです。

ヒロインが対峙することになるのは、「性悪な年上の女性」であることが多いです。

意地悪な継母であったり、人食い魔女・・・

実はこの悪役たちは、ヒロインがまだ経験していない闇の象徴なんですよね。

ヒロインが成長し、「本当の自分になる」には、意地悪な継母にいつかなる自分を受け入れることでもあります。

それは自分の闇との出会いです。

女性性は闇の性質ですから、ドロドロとした感情を抱えます。

例えば、ちやほやされていた若い女性もいつか年をとり、その座を次の若い女性に奪われる。

その時に感じる嫉妬や意地悪な気持ちは、その状況なら誰でも経験するもの。

そうやって私たちは、継母(的な立場)を経験し、人食い魔女のようなおどろおどろしい感性も経験します。

生きてきた年月なりに、乙女は成長していかねばなりません。

ピュアでキュートだった乙女がエレガントな大人の女性に成長していく過程では、自分の闇を無視したり葬ろうとするのではなく、闇を自分のものとして迎え入れるタイミングがやってきます。

その通過儀礼を拒否していると、とても困った状況が頻発し、「そろそろ受け入れなさい」と世界から迫られるのです。

あなたは乙女のままではありませんか?

どうでしょうか?

意外と、みんないい年こいて乙女のままだと思います。笑(私もね)

そろそろ継母(的な立場)になった自分を受け入れるお年頃です。

性格の悪い自分もあるがままに存在させ、畏怖の念を持って扱うことによって眠っていた大きな力を思い出すのです。

これが40代以降の女性に私が今一番伝えたいことです。

特に45歳超えたあたりが、どストライクゾーンだと思います。

自分の闇を受け入れるというプロセスが、「新しい自分に生まれ変わる力」として発展していきます。

そして、女性性が健全になっていくと同時に、男性性も成長を遂げるのです。

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この記事を書いた人

奥 敬子
心理コンサルタント
1972年神戸生まれ。
阪神大震災で被災したことをきっかけに上京し、ソニー・ミュージックアーティスツに入社
PUFFY、氣志團、真心ブラザーズなど、数々のアーティストのコンサートグッズ企画制作を11年間担当し日本全国をツアーで回る。
多忙の中でパニック症を発症したことをきっかけにホメオパシーに出会い、劇的に改善したことから専門家を目指すことに。
日本ホメオパシーの第一人者である由井寅子氏をはじめ、イギリス、インド、フランスなどホメオパシー先進国の教師の元で学ぶ。
2008年に開業し、ホメオパス医学協会の学会では4年連続ステージで事例発表。
ホメオパスとしての実績を積みながら2014年から心理コンサルタントとしても活動。
現在は心理コンサルティングの中に性格心理学のエニアグラム、ホメオパシー、タロットリーディングを取り入れて、ボディ・マインド・スピリットのつながりを太くしていくアプローチを行ない、アーティストや起業家、会社員、主婦など、多様な人々の人生を幅広くサポートしている。

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