愛しているからこそ傷つく。そう考えると傷つくことはそんなにオオゴトでもなくなる。

長くお付き合いのあるお客様が最近、起業準備を始められたと聞きました。

「起業って、めちゃくちゃ自分と向き合わないといけないんですね!

敬子さん、よくこんな大変なことずっとやってますね。

自分がやってみて気づきましたよ〜」

って、おっしゃっていて、そう!そうなの〜〜〜〜!!と盛り上がりました。

ホント、自分とトコトン向き合いたいんだったら、起業するのが一番早いんじゃないのかって思うくらいです。

もちろん目の前の人間関係がどんなものでも自分と向き合うきっかけになるし、誰でも自分と深く向き合えます。

けど、自分が全責任を負って人に何か提供するってなると、ちょっとつまずいたとしてもやめるわけにいかないっていうね。

だから向き合いかたを知っておくことはすごく重要ってことになりますね。

で、こういう話をしていると「愛すること」について語りたくなってしまうんですよね。

私にとってビジネスとは自分を愛して人を愛することなもんですから。

愛するってとびきり抽象的で、具体的にどういうこと!?ってなるじゃないですか。

だからこそ、何を持って愛するとするのかは、人それぞれ違うのが当然のことだと思うんですね。

でちょっと、今日は私なりに愛するってこういうことなんだなと思うことを書いてみたいと思うのです。

愛するとは自分の思い通りにならないこと

愛するには、対象がいります。

それが他人であれ、自分であれ、ペットであれ、物であれ、それは対象。

対象である限り、「自分の思い通りにならない」ですよね。

自分自身だって思い通りにならないじゃないですか。

自分は自分がコントロールできているようで、できていないところだらけ。

「一番身近な他人とは自分だ」と最近何かの本で読んだけど、本当にその通りですよね。

そして、「愛は思い通りにならないことを受け入れること」という女性性的な視点で掘り下げてみたいと思います。

これは「自分が傷つくことを受け入れること」にも続いていると私は思うわけなんです。

だって、思い通りにならないって、傷つきません?

嫌なことがあるとイライラしやすいのも、傷ついてるからだって私は思うんですよ。

なんだけど、自分が傷つくという現実ってなかなか受け入れられないんです。

受け入れられないから「どうしてくれるのよ!!」と相手に怒りが出てきたり、「私なんてダメだ」と落ち込んだり、ポジティブに変換してスルーしたりしてしまう。

(深く落ち込むのは自分に怒りが向いている状態でもあります)

傷ついてはいけないと思っていると、傷がオオゴトになる

この背景には「傷ついてはいけない」という強い思いがあるからのように思うんです。

だけど、さっきも言ったように何かを愛すれば愛するほど思い通りにならないことだらけで、傷つく。

ということは、傷つくことを許容していないと、うまく愛せなくもなってしまうということです。

恋愛で深く傷ついて、二度と恋なんてするもんか!と決意し、傷つかない行動しか取れなくなってしまう、みたいなね。

だから「どうしたって人と関われば傷つくことは起こる」という現実をごく自然な循環のひとつとして認め、受け入れることが大切だと私は思います。

そして傷ついた自分もありのままでよいと言えるのは、自分への愛だと私は思っています。

でも自分の回復力やそこから成長していく力を信じていなければなかなか言えないかもしれません。

実は体の傷と同じことが言えると思います。

生きていたら、怪我もするし、風邪をひいたり、病気をしたり、色々あります。

だけど私たちには自己治癒力があって、傷はそのうち治っていくし、子供の頃なんかは風邪を引いたり熱を出すことによって免疫が学習をして強くなっていきます。

それと似たようなものだなと思うんですよね。

もちろん致命的な傷だと自己治癒力だけでは難しくなります。

だから心の傷も深いとなかなか自己治癒だけでというわけにはいかないから、そこは傷を受け止めて人にも手伝ってもらって少しずつ治していったりすることもある。

けど、「もう一生傷つかないようにするぞ」となると、人を愛することも十分にできず、人とのつながりも手応えを感じられず、ただただ時間が過ぎるのを待つような時間になるかもしれない。

自分も人もわざと傷つけてはいけない。もちろんそう。

でも、やっぱり生きていると思いがけず傷つくし、傷つける。

日常では気づかないくらいのところで体に小さな傷がつくことがあるけど、気にしてもいないのは、勝手に治るとわかりきっているからだと思います。

心にも絆創膏を

とはいえ簡単じゃないですよね。

でも、許容してもしなくても日常的に実は傷ついているから、それなら「私傷ついちゃってるなぁ」とありのままの自分を認めて、その傷を治す力も持っていることも認めるといいと思います。

足を擦りむいた時と同じような感じで、最初は痛ぁぁぁぁ!ってなるかもしれないけど、しばらくすると治っていくのと同じ感覚です。

心の傷に「傷ついたね」と意識を向けてやると、それは擦り傷に絆創膏を貼るようなケアになります。

私は統合失調症の姉と今暮らしているので、姉の調子が悪いと八つ当たりされることがあるんですね。

前はいちいちカチンときて、過剰反応していたんですけど、今は「あぁ〜傷つくう〜〜!」と自分の中で傷ついた事実を受け止めるのを大切にしているんです。

絆創膏貼りまくりです。笑

すると、嫌は嫌なんですけど、思わず姉を傷つけ返してしまうみたいなことにはならなくなったんですよ。

意識してみると、想像以上にちょっとしたことで日々傷ついていたんですよね。

まさに「思い通りにならないこと」で。

それにね、ビジネスって本当に思い通りにならないことだらけだから、たくさん傷つくんですよ。

だから、ビジネスをちゃんとやりたいのに、なかなか行動できない人がいるとしたら、自分の日々の小さな傷をケアしてあげることをおすすめしたいです。

そして、

「私の人生に、思い通りにならないことが起こっても大丈夫。

私は成長していけるし、その度に力がついている」

そんなふうに自分に言ってあげられると、どんとこいや!という気分になってきます。

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この記事を書いた人

奥 敬子
心理コンサルタント
1972年神戸生まれ。
阪神大震災で被災したことをきっかけに上京し、ソニー・ミュージックアーティスツに入社
PUFFY、氣志團、真心ブラザーズなど、数々のアーティストのコンサートグッズ企画制作を11年間担当し日本全国をツアーで回る。
多忙の中でパニック症を発症したことをきっかけにホメオパシーに出会い、劇的に改善したことから専門家を目指すことに。
日本ホメオパシーの第一人者である由井寅子氏をはじめ、イギリス、インド、フランスなどホメオパシー先進国の教師の元で学ぶ。
2008年に開業し、ホメオパス医学協会の学会では4年連続ステージで事例発表。
ホメオパスとしての実績を積みながら2014年から心理コンサルタントとしても活動。
現在は心理コンサルティングの中に性格心理学のエニアグラム、ホメオパシー、タロットリーディングを取り入れて、ボディ・マインド・スピリットのつながりを太くしていくアプローチを行ない、アーティストや起業家、会社員、主婦など、多様な人々の人生を幅広くサポートしている。

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