私の思うエニアグラムの真の魅力を語ってみた

性格心理学のエニアグラムって平ったい性格診断のイメージで捉えている人が多かったり、自分や他人をコントロールするためのツールっぽい雰囲気で扱われることもあったりで、本来のすごさが伝わってないような気がします。

もちろんそのような扱い方も実用的で、面白いのですけどね。

どっちがいいか悪いかではなく、扱い方が次元によって違うんだなぁと思う次第です。

エニアグラムが伝えてくるもの

エニアグラムがとてもわかりやすく示してくれているのが「自我のとらわれ」。

例えばタイプ1のとらわれは「正しくあること」。

自分が正しいことを証明するために、ものすごいエネルギーを注ぎます。

ほとんど無意識で。

しかし、そんな必死に証明しようとしなくてもとっくに正しい人だと周りから見ればわかっていて、本人だけがわかっていない。

実はあまりに正しさを押し付けられるので、辟易して周りは抵抗しているだけだったりして。

でも本人はとらわれているので「これが正しいってなんでわかんないかな!?」ってなる。笑

そういう感じのことを「とらわれ」と呼んでいます。

「自我のとらわれ」は、私たちが意識を進化させていくために必然として持って生まれてくるものです。

そして、そのとらわれには大きく分けて9タイプあるとされているのがエニアグラム。

しかし実際はそんな単純ではないんですよ。

ウィングの効きかた
健全度
意識の統合度

などによって、同じタイプでもそう思えないくらい違う性格になるのです。

ウィングというのは、例えば私ならタイプ5ですが隣のタイプ6の要素も持っています。

ど真ん中ではないけれど、要素を持っていることを示すのがウィングです。

その隣あったタイプは必ず相反する要素があって、必ず自己矛盾が生じるようになっているのがこれまた深い!

自我の矛盾に関してはまた長くなるので、別に機会に書きたいと思います。

さて、エニアグラムは9タイプに分けているとはいえ、線を引けるようなものではなく、虹色のグラデーションのようなものとイメージしてもらうとわかりやすいかと思います。

例えばタイプ4が赤、タイプ5が青色、タイプ6が黄色だとしたら、タイプ5のウィング4は赤みがかった青、ウィング6は黄色がかった青となるわけです。

同じ青なんだけど、テイストが違うんですよ〜

しかも、どれだけ赤み強いか、どれだけ黄色っぽいか、とかその「濃度」も人それぞれ。

全く同じ色なんてないに等しいなと思うわけです。

とはいえ、同じタイプの人を観察すると、見事に似ている!

見た目が似ているという側面もありますが、発しているオーラというか、エネルギーが似ている。笑

そして同じようなことで悩んでいる。笑笑

見事ですよ、本当に。

そういうのを知っていくと、本当に面白くて、人間の自我がとても愛らしく思えてくるんです。

自我には恐れがつきもの

さて、先ほど挙げた「自我のとらわれ」についてもう少し書きたいと思います。

自我は「恐れ」がベースにあります。

自我というのは「他人から見られる自分」という概念で成り立っているものだから。

私たち人間の進化段階として、肥大し切ってしまった自我に今はまだとらわれていて、「この自我が私の全て」という感覚が強い人が多いはずです。

これが全てではないはずだとどこかで感じながらも、わからないような感覚かもしれません。

だから「本当の自分」を探すことになります。

そんな自我の求めるものは「人に認められること」「人に愛されること」です。

はい、他人基準です。受け身です。

なんせ他人に見られることで成立している概念ですからね。

で、やはりここで当然のごとく発生してくるのは恐怖です。

「私は認められているのか?」

「私は愛されているのか?」

と、他人の目線が気になって、なかなか抜け出せない。

しかしタイプによっては、「他人の目なんて気にしないで我が道をいく!」と言っている背景は「支配されたくない」という自我が働いている場合もあります。

これはあくまでも一つのパターンですが、さっき書いたように9つの自我のパターンがあるよ、と言うのを完璧な図で表しているのがエニアグラムです。

主には、「何を恐れ」「何を欲求するのか」がわかりやすく説明されています。

自我の持つそのような特徴は、意識進化のために必然のものであって、ダメなものじゃないんだってことを覚えておいてくださいね。

ここにバツつけると総崩れです。

さて、私にとっては各タイプの恐れや欲求の構造的な背景を知っていくだけでもテンションあがっちゃって楽しい世界なのですが、エニアグラムの真骨頂はここからです。

じゃあ本当の自分はどこだ?という話です。

恐れと欲求から、真の自己へ

自我の持つ、「恐れ」「欲求」というとらわれ。

エニアグラムを知ると、そこには溢れる個性があり、とても人間らしく、愛すべき存在であることがわかります。

そして大切なのは、その恐れと欲求を丁寧に見ていき、突き抜けた時に立ち現れてくるのは、命そのものとしての自分であるということ。

命そのものの自分・・・真の自己は、条件づけも、他人の目線も必要としません。

表現を変えるならば「その人の本質」というものが姿を表してくるんです。

私はここに魅了されているのですよ〜!(鼻息荒め)

本来の主体はここなんです。

通るべき段階を経て、その本質を感じられるようになることで自己受容の器が格段に大きくなりますし、目覚めを促してくれるので、今では個人コンサルの中でもエニアグラムからの解説をかなり多めにしています。

まずは「とらわれの自我」をそのまま受け止めることがとにかく大事。

自我のとらわれを見つけることによって、命そのもののエネルギーに触れることのできる一つの手段として、素晴らしいものなのです。

実生活に取り入れることで意味をなす

エニアグラムの本を読んだり、講座で習ったりすれば、言葉としての情報はたくさん得られます。

なんでも今は情報で溢れかえっていますからね。

しかしそれを実生活で活かし、体感で落とし込まないことには、これなかなか自分の身にはつきません。

私は、エニアグラムに関しては、いろんなタイプの人とお話をして、その人の恐怖を知り、欲求を知り、そしてその奥にある本質のエネルギーを感じることで、単なる情報が叡智となる過程のなかでどんどん深まっていくものだなと思っています。

私にとって本質をエネルギーで感じて言葉にしていくことは、ものすごい喜びです。

「あ〜これがタイプ1の真骨頂だわ!」と、その真実に触れる度に魂がふるえっちゃって、しょうがない。笑

ぜひエニアグラムの面白さに触れてみてくださいね。

1冊目にはまずこちらをどうぞ

この表紙が古いバージョンで、今はもっとカラフルな表紙になっています↓↓

届いた時に、「あれ間違えてる?」と思う方が多いのですが、どちらも同じ本ですので、ご安心くださいね。

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この記事を書いた人

奥 敬子
心理コンサルタント
1972年神戸生まれ。
阪神大震災で被災したことをきっかけに上京し、ソニー・ミュージックアーティスツに入社
PUFFY、氣志團、真心ブラザーズなど、数々のアーティストのコンサートグッズ企画制作を11年間担当し日本全国をツアーで回る。
多忙の中でパニック症を発症したことをきっかけにホメオパシーに出会い、劇的に改善したことから専門家を目指すことに。
日本ホメオパシーの第一人者である由井寅子氏をはじめ、イギリス、インド、フランスなどホメオパシー先進国の教師の元で学ぶ。
2008年に開業し、ホメオパス医学協会の学会では4年連続ステージで事例発表。
ホメオパスとしての実績を積みながら2014年から心理コンサルタントとしても活動。
現在は心理コンサルティングの中に性格心理学のエニアグラム、ホメオパシー、タロットリーディングを取り入れて、ボディ・マインド・スピリットのつながりを太くしていくアプローチを行ない、アーティストや起業家、会社員、主婦など、多様な人々の人生を幅広くサポートしている。

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